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選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記
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出版社 : 左右社 著:和田靜香・小川淳也 四六判並製版 208ページ 2021年12月刊
ぼくにとって選挙とは、ほぼ「投票」のことだし、大半の人にとってもそれは同じではないかな、と思う。
だから、市井のライターである和田靜香さんが、選挙活動に果敢に片足…いや、ほぼ両足を突っ込んで内側から選挙活動を描いたこの本は、驚きの連続で、選挙というものの見方がすっかり変わってしまった。
まず最初に和田さんが発見するのは、選挙の世界の不可解さ。なんだか時代遅れで、マッチョで、面倒で、地味で地道な「ドブ板」の世界。タヌキやイノシシしかいないような所で街宣したり、嫌がられながらみなに電話をかけたり、チラシをまいたりする様子は、和田さん出なくとも「なんとアナログな…」と呟いてしまいそう。
でも徐々に明らかになるのは、そんなアナログでミクロな対話の積み重ねが、わたしたちが自分事として政治に参加する土壌を耕している、という事実。すぐれた政治家というのは、ひとびとが自分事としてそこに参加し、何かを差し出せるような「場」を醸成できる人なのだなぁ、と感じました。
うちの店は香川一区にあるから、先の選挙ではその「熱」を直に感じることが多かったけど、この本を読むとそれが一時の熱狂ではなく、私たちの対話の場と政治へのコミットの機会を醸成する、豊かな契機だったのだな、と思いました。
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