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ミニシアターをたずねて

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版元:本の雑誌社 絵と文:信濃八太郎 四六判変型並製 376ページ オールカラー 2026年6月刊

いつからか、子どもの頃のようにただひたすらワクワクと映画と向き合いたいと思うようになりました。情報ばかりが飛び交い、なんでも知った気になれるこの時代に、理解するために映画を観るのではなく、ただ心で感じたいと。
 そう、子どもの頃、不意を突かれた映画館の初体験は6歳のこと、とんかつを食べようと誘われて父と出かけた先の暗闇で、迫力に目を閉じた『007/ユア・アイズ・オンリー』(1981年)。友人たちと一時間も自転車をこいで『グーニーズ』(1985年)を観に行った日の、夕暮れの帰り道の高揚感。一日のことが、今も鮮やかに思い出せるのはいったいどうしてなのだろう。挙げればきりがないあんな一本一本の映画体験を、大人になった今、再び実現できないものか。
 それで旅に出ることにしたんです。未だ知らない映画と出会うための、ミニシアターを巡る旅に。
 
 バッグにペンとスケッチブックを入れて準備しながら「映画とワクワク向き合うための仕掛けを自分で用意するなんて、これが大人の所作ってやつでしょう」とかなんとか言い訳をして。それ見たことかと、自分の仕掛けにまんまとはまった旅と映画の記録が、一冊にまとまりました。 
 インタビューに応じてくださったミニシアターの皆さんの、映画や町への想い、そして「自分で決めて、行動する」という熱いお人柄に触れ、毎回、夢と希望をもらう帰り道でした。帰宅した後、文章を綴り絵を描くのは、再び旅に出たようで、2度幸せでした。お読みいただいた皆さまにそれが少しでも伝わるようでしたら(ぼくにとっては3度目の)幸いです。それでは始まりです、どうぞ最後までお楽しみください。

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