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イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
¥2,640
版元:平凡社 著:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 訳:橋本一径 B6変型 408ページ 2025/05刊 監視の目を盗み、ゾンダーコマンドによって撮影された四枚の写真から、アウシュヴィッツの真理に触れることはできるのか。 もっと遠くにまで届くはずだ――アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン゠リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。
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ひとが生まれる 五人の日本人の肖像
¥1,078
版元:KADOKAWA 著:鶴見俊輔 新書版 256ページ 2025年04月10日刊 彼らは「日本人」を生き抜いた――戦後を代表する思想家による極上の人生論 【ひとは社会の中の一人として、もう一度「生まれる」】 哲学から映画、マンガなど大衆文化を渉猟し、戦後日本を思索し続けた思想家、鶴見俊輔。彼が現代人の「生き方」を問い直すために選んだのは、誰もが認める偉人ではなく、社会の周縁で、時代に揉まれながら実直に生き抜いた5人の日本人だった。 明治以前に米へと越境し、日本を相対化した中浜万次郎、町村を見つめ続けた田中正造、敗北を直感しながら飛び立った林尹夫……彼らの数奇な人生をたどることで、近代日本の相貌が鮮やかに浮かび上がる。 赤川次郎氏の文庫版解説を再録。新書版解説・ブレイディみかこ
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パソコンとヒッピー
¥1,760
発行:エディトリアル・デパートメント 原作:赤田祐一(スペクテイター編集部) 作画:関根美有 B5並製 132ページ 2025年4月25日刊 「国家や巨大企業だけが利用を許されていた巨大コンピュータを個人が自由に使えるようになったのは、ヒッピーの大胆な発想のおかげである」。 北米西海岸のテック業界で語り継がれるパソコン誕生にまつわる神話の真相と文化的背景をマンガで解説。 サイケデリック、ハッカー文化、カウンターカルチャーとテックカルチャーの関係など。 デジタル社会の今後を考える上で必要な教養が身につく、異色のパソコン文化史。
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あなたが知っている英国はすべて間違い
¥2,200
版元:原書房 著:マット・ブラウン 訳:風早 さとみ 四六判並製 246ページ 2025/03/10刊 英国君主の公邸はバッキンガム宮殿ではない、ユニオンジャックは本当に国旗か、本当に世界一紅茶を飲むのか……歴史や伝統から日常生活まで、知っていそうで知らないイングランド中心の英国についてのトリビアを紹介。
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口笛のはなし
¥2,200
版元:ミシマ社 著:武田裕煕・最相葉月 四六判並製 280 ページ 2025年02月25日 実は知らない、もっとも身近で、最古の楽器!? 口笛世界チャンピオン・武田さんに、吹けないサイショーさんが訊く。 文化、歴史、科学、音楽、超絶技巧…その奥深い魅力にはじめて迫る! ・なぜ音が出る? 口笛の科学、最新の研究と残る謎 ・「夜に吹くとヘビが来る」 迷信はどこから? ・離れていても会話できる、「口笛言語」の意外な仕組み ・口笛のプロ、口笛奏者――いったいどんな人たち? ・19世紀末、世界一売れたアーティストは口笛奏者!? ・スマホで聴きながら追える! 口笛音楽100年の歴史 ・「上を向いて歩こう」「Don't Worry Be Happy」「ストレンジャー」、映画「キル・ビル」「戦場にかける橋」…誰もが知ってるあの曲も! ・あなたも吹ける! 最初の一音から超上級テクまで、解説&動画付き ・4オクターブ、和音も出せる!?チャンプの秘技を大公開 今日から、どこでも、身ひとつで。知れば、吹けば、楽しくなる!
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おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想
¥2,640
版元:白水社 著:ロジーナ・ハリソン 監修:新井潤美 訳:新井雅代 新書 422ページ 2024/12/27刊 大富豪のアスター子爵夫人は才色兼備な社交界の花形で英国初の女性下院議員、おまけにとってもエキセントリック! 型破りな貴婦人に仕えた型破りなメイドの、笑いと涙の35年間。 笑いと感動で描く、お屋敷の内側 著者は一八九九年イギリス生まれ。庶民の若い女性の常で、学校を卒業後はメイド奉公に出ることになるが、当時の庶民には不可能ともいえる、旅行がしてみたいという夢をいだいていた。娘の賢さを知る母親は、メイドとしては格上の「お屋敷の女主人付きメイド」になれば、お供をして旅行ができると教える。ローズは「女主人付き」の下位ポストである「令嬢付き」メイドとしてキャリアをスタートし、キャリアアップの結果アスター家へやってくる。 ナンシー・アスター(夫はアメリカの大富豪アスター一族出身でプリマス市長)は才色兼備な社交界の花形。イギリス初の女性下院議員になり、内外の王族・文人・政治家と交流が深い一方、エキセントリックな性格でメイドが居つかない女主人であった。ローズは雇用主にも臆せず物を言う性格を気に入られ、子爵夫人が亡くなるまで三十五年間も生活を共にする。そして、雇い主と使用人を超えた特別な信頼関係のなか、第二次大戦中の大空襲や政界を揺るがしたソ連のスパイ事件など、お屋敷のピンチを切り抜けていく。 「古き良きイギリス」最後の時代のお屋敷を映画のようにドラマチックに描いた、使用人もの回想録の決定版、ついに邦訳!
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あさってのニュース
¥1,760
版元:筑摩書房 著:北村みなみ A5判並製 144頁 2024/12/09刊 あさっては明日よりきっとおもしろい 生成AI、自動運転車、遺伝子操作ベビーetc. 近未来のテクノロジーが実装された社会をニュース仕立てでマンガ化。北村みなみが描く少し不思議な未来へGO!
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歴史の屑拾い
¥1,540
できあがった「歴史」に触れることは多いけど、それがどうやってできているのか、あまり考えたことがなかったように思う。最近新版が出たカーの『歴史とは何か』とかは、うっすらと読んだ記憶があるけど… だからこの、藤原辰史さんの歴史をめぐるエッセイ集を読んで、「歴史を組み立てていくって、こういう営みなんだ」と新鮮な驚きに打たれた。 歴史は、一次資料という「事実の断片」を収集、整理して、なんらかの道筋を提示する…そんな営みのようだけど、決して一筋縄ではいかないみたい。 大きな物語や、誰かにとって都合の良いシンプルな物語に回収されないよう忘れられた声を拾い上げ、人ではないもの、さらには生物ではないものにまで思考を広げ、常に自己点検を怠らず歴史像を相対化し続け、自分自身さえもバラバラに解体し「屑」のひとつとして歴史の一部になることを厭わない…。 本書はそんな、歴史学の手ざわりをありありと感じさせてくれる。藤原さんの思考と言葉はどこまでも真摯で、ジャンルの外へ開かれていて、大変にシビれた。 ・・・・・・・ 藤原 辰史 (著) 歴史をどう語るのか。 こぼれ落ちた断片の生が、大きな物語に回収されないように。 戦争体験者の言葉、大学生への講義、語り手と叙述……。 研究者である自身に問いかけながらの試行錯誤と、思索を綴るエッセイ。 講談社 (2022/10/20)