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よみがえる美しい島 産廃不法投棄とたたかった豊島の五〇年
¥2,860
版元:日本評論社 著:大川真郎 四六判上製 352ページ 2025年5月刊 わが国最大の産廃不法投棄に見舞われた瀬戸内海の豊島。自然豊かなふるさとを取り戻すために立ち上がった住民たちの勇姿を描く。
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SPECTATOR 54 パンクの正体
¥1,320
版元:エディトリアル・デパートメント B5変型 160頁 2025年8月刊 1970年代中頃にパンク・ロックが大流行した当時のイギリスの社会状況は、現在の日本とよく似ている。 原油価格の高騰、極端なインフレ、上昇する失業率、上流階級への不満——そうした社会に対する鬱憤が爆発し、若者による文化革命が起こった。 パンクとは何か? どのようにして生まれ、社会をどう変えていったのか? 関係者への取材と文献調査を通じて、その正体を明らかにする。
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男が「よよよよよよ」と泣いていた 日本語は感情オノマトペが面白い
¥1,254
SOLD OUT
版元:光文社 著:山口仲美 新書判 416ページ 2025/08刊 「ワンワン」など動物の声や「ドッカーン」などの物音、「ひらひら」など物事の状態や様子を写す言葉「オノマトペ」を日本人はこよなく愛してきた。本書では日本人の泣く声や様子、笑う声や笑う様を表わすオノマトペに焦点を絞り歴史の糸を手繰り寄せる。「ウェラウェラ」「ツブツブ」「ホヤホヤ」など予想外のオノマトペが続出、そこに潜む日本人の認識の仕方や時代性も追究。オノマトペ研究の第一人者による斬新な日本語の歴史。
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Tシャツの日本史
¥2,200
版元:中央公論新社 著:高畑鍬名 四六判並製 256ページ 2025/8/21刊 夏目漱石の「赤シャツ」、石原裕次郎と太陽族、そして菅田将暉が変えた運命――ファッション史の壮大な死角であるTシャツには、日本の同調圧力と美の仕組みが隠されていた。〈裾〉をインするかアウトするか? 激動の150年を記録した前代未聞のTシャツ史。
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世界猟奇殺人者事典
¥2,970
版元:玄光社 著:朝里樹 A5判並製 288ページ 2025/07/23刊 人はなぜ、人を殺すのか――。 快楽、金銭、嫉妬、信仰、あるいは理解不能な衝動。古今東西で実際に発生した猟奇殺人事件の中から、特に異様なものを厳選し、連続殺人犯やシリアルキラーを中心に、500件の事例をまとめました。著者は『日本現代怪異事典』などで知られる怪奇コレクター・朝里樹。実話を扱う本書ではあくまで資料性を重視し、事件の動機や背景、残忍な手口の詳細を記録しています。ホラーやミステリーの創作ネタ帳としても活用できる一冊です。
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記憶の旗を立てる 8月15日の日記集
¥1,980
発行所:いい風 作:椋本湧也 装丁:古本実加 装画:三瓶玲奈 W120×H210×D18mm/並製 428ページ 2025年8月刊 他者の体験の記憶を、いかに受け継ぐことができるだろうか—。94歳の祖母に戦時体験をインタビューし、その録音音声を聞いた71名の読み手が綴る「8月15日」の日記集。 「あんたたちにはわからんよ。体験してないんだから。それでもね、あんたたちがどう受けとめて、戦争しないように持っていくか。もうそれしかないよ」 (祖母へのインタビューより) 体験のない私たちは「軽い」。けれども軽いからこそできることがまたあるはずで、その方法を自分たちの手ごたえを通して試し・確かめていくこと。「わかりえない」ことを受けとめた上で、いくつもの「今」から何度でも思い出し、重ね描きつづけていくこと。それがこの本の主題です。 祖母へのインタビューを冒頭13ページにわたって掲載。また1945年の8月15日に書かれた日記を蒐集し、25名分の引用を織り込みました。 この本に書かれたいくつもの個人的な体験の記憶が、読み手の記憶と結びつき、それぞれの生活の中で新たな意味を帯びることを願っています。 戦後80年の今年、ぜひ手に取っていただけたら幸いです。
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戦前 エキセントリックウーマン列伝
¥2,420
版元:左右社 著:平山亜佐子 四六判並製 314ページ 2025年07月刊 〈偉業〉と〈異業〉を成し遂げた、戦前の女20人 「エキセントリック」=風変り、常識外れ、奇抜、突飛の意味。 明治、大正、昭和初期。女性にとって今よりもはるかに抑圧の多かった時代にも、自分の心の声に従って生きたエキセントリックな女たちがいた! 「個性的」という言葉すら生ぬるい女たちの生き様を、愛を込めて描く傑作ノンフィクション。
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生命と時間のあいだ
¥1,815
版元:新潮社 著:福岡伸一 四六判並製 224ページ 2025年7月刊 ダ・ヴィンチ、ダーウィン、ガリレオ・ガリレイ、フェルメール、坂本龍一、手塚治虫、村上春樹、安部公房、丸谷才一……彼らの作品に立ち上がる時間の流れを捉え、世界と生命の解像度を一新する。近代科学で見えなくなった時間のパラドクスを解き明かす、著者真骨頂の新たな時間論。
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空海
¥4,950
SOLD OUT
版元:講談社 著:安藤礼二 A5判上製 560ページ 2025年05月29日 人間中心主義でやってきた世界は繁栄のなかに滅びが見え始めている。人間中心的な世界認識を改めなけれならない。いまあらためて空海を読み直さなければならないのである。 空海は二つの「頌」を残した。『声字実相義』と『即身成仏義』の核心をただそれだけで語りきってしまった「頌」(「詩」)である。空海の「詩」は、膨大な仏典を読み解いた上で可能になったものだ。『大日経』と『金剛頂経』 の交点、 胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の交点に、空海は自身の信仰の体系にして思想の体系を築いたのだ。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅を見れば『大日経』と『金剛頂経』の異なることは明らかである。空海は異なる経典を統合してみせる。生涯を通して宇宙の根源にして意識の根源、さらには身体の根源に位置づけられる「法身」を求め続けた。 「空」の無限と「海」の無限、精神の無限と物質の無限、その融合。無限が一つに交わるところ、その二つの無限の間で人間は何を考え、どのように生きるのか。 空海は偉大な宗教家であった。それ以上に偉大な文学者であった。空海の宗教は空海の文学のなかにすっぽりと包み込まれる。 空海は生涯を通して、宇宙そのものである一冊の書物を書き続けていた。 あらゆるものが生まれ出てくる根源への尽きない想い。根源の場所に立つことで表現の未来がひらかれる。 空海の全貌がわかる記念碑的大著。空海とは何者なのか――日本思想史最大のオリジネーター・空海の思想に迫る。
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古代中国の裏社会 伝説の任俠と路地裏の物語
¥1,100
版元:平凡社 著:柿沼陽平 新書版 304ページ 2025/03刊 義に厚い一方で、贋金づくりや殺人などの犯罪行為を繰り返す任俠。前漢時代の大任俠・郭解の生涯を辿りながら、彼らの実態に迫る。 約束事を重んじ、身命を賭して他人の窮状を救う一方で、殺人や強盗のほか、ニセガネ作りなどの犯罪行為にも手を染める任俠。『史記』游俠列伝で数多くの人物が取り上げられるなかで、その筆頭に挙げられるなど、司馬遷の評価が最も高い、前漢時代を生きた大任俠・郭解に焦点を当てて、古代中国社会の裏側を切り開く。 古代中国の日常の風景を描き出した著者が明らかにする、国家の法秩序の及ばない「裏」の世界とはどのようなものなのか。膨大な史料を綿密に読み込み、徹底した比較・検証をしたうえで、ストーリー仕立てにすることで読みやすさも追求した、必読の一冊。
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イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
¥2,640
版元:平凡社 著:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 訳:橋本一径 B6変型 408ページ 2025/05刊 監視の目を盗み、ゾンダーコマンドによって撮影された四枚の写真から、アウシュヴィッツの真理に触れることはできるのか。 もっと遠くにまで届くはずだ――アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン゠リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。
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ひとが生まれる 五人の日本人の肖像
¥1,078
版元:KADOKAWA 著:鶴見俊輔 新書版 256ページ 2025年04月10日刊 彼らは「日本人」を生き抜いた――戦後を代表する思想家による極上の人生論 【ひとは社会の中の一人として、もう一度「生まれる」】 哲学から映画、マンガなど大衆文化を渉猟し、戦後日本を思索し続けた思想家、鶴見俊輔。彼が現代人の「生き方」を問い直すために選んだのは、誰もが認める偉人ではなく、社会の周縁で、時代に揉まれながら実直に生き抜いた5人の日本人だった。 明治以前に米へと越境し、日本を相対化した中浜万次郎、町村を見つめ続けた田中正造、敗北を直感しながら飛び立った林尹夫……彼らの数奇な人生をたどることで、近代日本の相貌が鮮やかに浮かび上がる。 赤川次郎氏の文庫版解説を再録。新書版解説・ブレイディみかこ
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パソコンとヒッピー
¥1,760
発行:エディトリアル・デパートメント 原作:赤田祐一(スペクテイター編集部) 作画:関根美有 B5並製 132ページ 2025年4月25日刊 「国家や巨大企業だけが利用を許されていた巨大コンピュータを個人が自由に使えるようになったのは、ヒッピーの大胆な発想のおかげである」。 北米西海岸のテック業界で語り継がれるパソコン誕生にまつわる神話の真相と文化的背景をマンガで解説。 サイケデリック、ハッカー文化、カウンターカルチャーとテックカルチャーの関係など。 デジタル社会の今後を考える上で必要な教養が身につく、異色のパソコン文化史。
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あなたが知っている英国はすべて間違い
¥2,200
版元:原書房 著:マット・ブラウン 訳:風早 さとみ 四六判並製 246ページ 2025/03/10刊 英国君主の公邸はバッキンガム宮殿ではない、ユニオンジャックは本当に国旗か、本当に世界一紅茶を飲むのか……歴史や伝統から日常生活まで、知っていそうで知らないイングランド中心の英国についてのトリビアを紹介。
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おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想
¥2,640
版元:白水社 著:ロジーナ・ハリソン 監修:新井潤美 訳:新井雅代 新書 422ページ 2024/12/27刊 大富豪のアスター子爵夫人は才色兼備な社交界の花形で英国初の女性下院議員、おまけにとってもエキセントリック! 型破りな貴婦人に仕えた型破りなメイドの、笑いと涙の35年間。 笑いと感動で描く、お屋敷の内側 著者は一八九九年イギリス生まれ。庶民の若い女性の常で、学校を卒業後はメイド奉公に出ることになるが、当時の庶民には不可能ともいえる、旅行がしてみたいという夢をいだいていた。娘の賢さを知る母親は、メイドとしては格上の「お屋敷の女主人付きメイド」になれば、お供をして旅行ができると教える。ローズは「女主人付き」の下位ポストである「令嬢付き」メイドとしてキャリアをスタートし、キャリアアップの結果アスター家へやってくる。 ナンシー・アスター(夫はアメリカの大富豪アスター一族出身でプリマス市長)は才色兼備な社交界の花形。イギリス初の女性下院議員になり、内外の王族・文人・政治家と交流が深い一方、エキセントリックな性格でメイドが居つかない女主人であった。ローズは雇用主にも臆せず物を言う性格を気に入られ、子爵夫人が亡くなるまで三十五年間も生活を共にする。そして、雇い主と使用人を超えた特別な信頼関係のなか、第二次大戦中の大空襲や政界を揺るがしたソ連のスパイ事件など、お屋敷のピンチを切り抜けていく。 「古き良きイギリス」最後の時代のお屋敷を映画のようにドラマチックに描いた、使用人もの回想録の決定版、ついに邦訳!
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あさってのニュース
¥1,760
版元:筑摩書房 著:北村みなみ A5判並製 144頁 2024/12/09刊 あさっては明日よりきっとおもしろい 生成AI、自動運転車、遺伝子操作ベビーetc. 近未来のテクノロジーが実装された社会をニュース仕立てでマンガ化。北村みなみが描く少し不思議な未来へGO!
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歴史の屑拾い
¥1,540
できあがった「歴史」に触れることは多いけど、それがどうやってできているのか、あまり考えたことがなかったように思う。最近新版が出たカーの『歴史とは何か』とかは、うっすらと読んだ記憶があるけど… だからこの、藤原辰史さんの歴史をめぐるエッセイ集を読んで、「歴史を組み立てていくって、こういう営みなんだ」と新鮮な驚きに打たれた。 歴史は、一次資料という「事実の断片」を収集、整理して、なんらかの道筋を提示する…そんな営みのようだけど、決して一筋縄ではいかないみたい。 大きな物語や、誰かにとって都合の良いシンプルな物語に回収されないよう忘れられた声を拾い上げ、人ではないもの、さらには生物ではないものにまで思考を広げ、常に自己点検を怠らず歴史像を相対化し続け、自分自身さえもバラバラに解体し「屑」のひとつとして歴史の一部になることを厭わない…。 本書はそんな、歴史学の手ざわりをありありと感じさせてくれる。藤原さんの思考と言葉はどこまでも真摯で、ジャンルの外へ開かれていて、大変にシビれた。 ・・・・・・・ 藤原 辰史 (著) 歴史をどう語るのか。 こぼれ落ちた断片の生が、大きな物語に回収されないように。 戦争体験者の言葉、大学生への講義、語り手と叙述……。 研究者である自身に問いかけながらの試行錯誤と、思索を綴るエッセイ。 講談社 (2022/10/20)