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ユリイカ 2025年7月 成瀬巳喜男
¥1,980
版元:青土社 A5並製 240ページ 2025年6月26日 生誕120年 成瀬巳喜男は日本映画を戦前から戦後に橋渡しした作家である。それは松竹からP.C.L.、そして東宝と渡り歩いた職人的なキャリアによるものではなく、あるいは起用された俳優たちの輝かしいばかりの顔ぶれによるものでもない、いわばそれぞれの点と成瀬巳喜男の距離がつなぎとめるもののありかたである。成瀬巳喜男を観ることが映画の現在地にとっていかに喫緊の課題であるのか、生誕120年を機に振り返ってみるに如くはない。批評による誌上レトロスペクティブ。 特集*成瀬巳喜男――『めし』『浮雲』『流れる』…生誕一二〇年 ❖対談採録 静かな人 / 岡田茉莉子 蓮實重彦 ❖成瀬巳喜男再見 成瀬巳喜男のスタイルの発展とその核――実験性・日常性・職人気質を中心に / スザンネ・シェアマン 禁じられたショット――成瀬巳喜男との隔てられた距離 / 筒井武文 『浮雲』をなかったことにせずに、いかにして成瀬巳喜男を語るか――港のシーンにおける奇妙なデクパージュと俯瞰のイメージをめぐるささやかな考察 / 大久保清朗 成瀬巳喜男と一九六〇年代――クロースアップとメロドラマ女優 / 北村匡平 ❖映画の交情 肉体の軋――成瀬巳喜男監督『山の音』(一九五四年)における戦後的なるもの / 紙屋牧子 映画のからだと語り――『あらくれ』試論 / 木下千花 別れる映画、出会う映画――成瀬巳喜男と千葉泰樹 / 鷲谷花 ふくらまない男たちと、湿った記憶のあいだで――成瀬巳喜男作品を「誤読」する / 久保豊 戦前の成瀬巳喜男と構築された女性観客 / 内山翔太 ❖邂逅と試論 成瀬巳喜男と水木洋子 / 荒木裕子 記録映画『成瀬巳喜男 記憶の現場』 / 石田朝也 ❖技芸としての映画 軟調のコントラスト――成瀬巳喜男と陰翳の美学 / 宮尾大輔 成瀬巳喜男の初期トーキーの音楽を聴く / 柴田康太郎 お妻の視線――映画『桃中軒雲右衛門』(一九三六年)試論 / 羽鳥隆英 ひとすじの道といろいろなもの――成瀬巳喜男の芸道物 / 藤田奈比古 ❖外部に向かって 安二郎と巳喜男の車掌さんたち / マチュー・カペル 成瀬巳喜男の「日本的なもの」 / 具慧原 P.C.L.映画時代の成瀬巳喜男 / 佐藤利明 無の空間のきらめき――成瀬巳喜男と吉田喜重 / 高部遼 ❖来るべき成瀬巳喜男 成瀬巳喜男主要監督作品解題 / 川原琉暉 ❖忘れられぬ人々*45 故旧哀傷・林義郎・林章 / 中村稔 ❖詩 帰る / 雪柳あうこ ❖今月の作品 鈴野蜜夏・三好由美子・ながさきふみ・梅津郁子・牧村裕 / 選=井坂洋子 ❖われ発見せり ストリップ研究者は語ることができるか / 泉沙織 表紙・目次・扉=北岡誠吾 表紙写真=朝日新聞社/一九六一年六月二八日、東京・世田谷区成城町の自宅で
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戦前音楽探訪
¥2,200
版元:ミュージックマガジン 著:寺尾紗穂 四六判並製 288ページ 2025年6月刊 寺尾紗穂が日本の戦前音楽に分け入り、その豊潤な物語を浮き彫りにする── 独自の視座で社会と対峙し、多方面へ活躍を広げているシンガー・ソングライター/文筆家の寺尾紗穂が、知られざる民謡、わらべうた、流行曲などの日本の戦前音楽に分け入り、歴史的視点を交え、作詞/作曲家の人生まで掘り下げながら、その豊潤な物語を浮き彫りにする。著者ならではの深い洞察力と文才が冴えわたる、必読の音楽エッセイ集。書籍化を望む声を多数いただいていたミュージック・マガジンの人気連載(2019~2024年)が、書き下ろしを加えて一冊にまとまりました。日本の歌謡曲/音楽史に興味のある方すべてにおすすめします。
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1994-2024 ミルクマン斉藤レトロスペクティブ 京阪神エルマガジン社の映画評論集
¥3,199
版元:京阪神エルマガジン社 著:ミルクマン斉藤 四六判並製 600頁 2025年5月刊 2024年1月に逝去した映画評家・ミルクマン斉藤。その活動のスタートは、1994年『Meets Regional』への寄稿だった。以降、30年に及ぶ『Meets』『SAVVY』『月刊誌Lmagazine』をはじめとする、京阪神エルマガジン社の媒体で執筆した膨大な量の原稿を書籍化。ミルクマン斉藤と深いかかわりを持つ執筆陣によるコラムも収録。不世出の映画評論家である斉藤氏の集大成として、また90年代以降の、映画文化の貴重な記録集となっている。
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星沙たち、
¥2,200
版元:講談社 著:青葉市子 四六変型並製 176ページ 2025年05月刊 音楽のために、生きている。 青葉市子、はじめてのエッセイ集。 夢と現実が溶け合う、永遠に似た時間。 深い海に潜って見つけた、小さな創作のかけら。 「大雨みたいな拍手が聞こえる。 様々な人生のひとときを預かる、 ステージの袖で、深呼吸をしている。 どうか音楽よ、私たちを包んでと祈りながら。」
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アジア映画とは何か
¥5,280
版元:みすず書房 著:四方田犬彦 四六判上製 400頁 2025年4月16日 「アジアの少なからぬ地域では一党独裁や軍事政権、非寛容の政教一致が人々を不当な抑圧状態に置いているため、一見したところ何もかもが自由なように見える日本に比べ、はるかに困難な状況のなかで人間が生きることを強いられている。ではわれわれはなぜ、そのようなより過酷な生活から生まれてきたアジア映画を観ようとするのか。それは端的にいって、自分たちよりも強い人間を見たいからである。アジア映画がわれわれに訴えかけてくるのは、それが娯楽アクションであれ、メロドラマであれ、近代史を批判する社会派作品であれ、そこには自分たちよりもはるかに強く忍耐と寛容に満ちた人間たちの生き方が描かれているからに他ならない。強い悲嘆を知る者は、同時に強い歓喜を体験できる者でもある。困難な社会のなかで自分たちとはいったい何者であるかという問いを間近に突きつけられ、それに真剣に答えようとする人間が描かれているとき、そのフィルムは思いがけない強度を獲得する。よく探求する者はより大きな自由に到達する。より深い心の慰めを体験する。」(「アジア映画を観るということ」より) 過剰なまでの混沌と豊饒に魅惑されつづけた、60年に及ぶ身体的思考の集成。
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『LOCKET』 07 CINEMA ISSUE
¥2,200
SOLD OUT
発行元|EDIT BY BODY 編集発行人|内田洋介(編集・文・写真) 2025年4月10日発売 独立系旅雑誌『LOCKET』第7号は映画館特集です! コデックス装が復活&リソグラフポスター付き! 荒野はきっとここにある──明滅する世界を彷徨うように映画館を旅しました。インドでもっとも豪華な映画館から、建築の巨匠ゆかりの映画館へ。写真家はルーマニアで美しい瞬間を瞳に焼きつけ、ウクライナで爆発音に耳をすませます。 石川直樹、奥山大史、佐々木美佳、済東鉄腸、上川周作、フー・ティエンユー、児玉浩宜、塚田ゆうたなど豪華面々も登場。今号もオフセット印刷は長野県松本市の藤原印刷による「心刷」です。第3号以来のコデックス装がカムバック。創刊10周年を記念してリソグラフポスターも投げ込みます。 真っ当でいてオルタナティブなインディペンデントマガジンが、いまここから荒野へいざないます。 ◉インド/ピンクシティに見る夢(土田 凌*表紙撮影) ◉インド/ル・コルビュジエが見た夢 ◉ルーマニア/おとぎの国のヴィクトリア(塩川雄也) ◉ジョージア/この国で、この部屋で、この映画で ◉トルコ/瞬きのアナトリア ◉ウクライナ/映画館が閉ざされた街で(児玉浩宜) ◉ボリウッドの東で喜怒哀楽(佐々木美佳) ◉追憶の映画館(アイザワディーン) ◉精神の荒野はどこにある(済東鉄腸) ◉ある男、映画館にて(上川周作) ◉ようこそようこそ映画館へ(jig theater、金星シネマ) ◉まちがいさがし 映画館篇(町田ヒロチカ) ◉隣の国の映画館(フー・ティエンユー) ◉ロケットペンダントの中には #1 ◉旅を書く(鈴木優香、中道智大、石川直樹) ◉背骨の旅人 #7(奥山大史) ◉いまではないいつか #3 ハワイ ◉雑誌発、ZINE経由、漫画行(塚田ゆうた) ◉創刊10周年記念投げ込みリソグラフポスター(Yunosuke)
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映画じゃないんだから、うまくいかなくても大丈夫。
¥814
版元:ポプラ社 著:ジェーン・スー/高橋芳朗 文庫判 287ページ 2025年4月刊 「正解のない人生」を私たちは生きている。 恋愛・結婚、キャリア、年齢―― ラブコメ映画を通して女性の生き方を語る! *本書は『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない』を改題し、新たな対談を加えて、文庫化したものです 「枠からはみだして、自分の人生を手に入れる」 「自分のフィールドで自分の正義をまっとうする」 「愛を知ることは、痛みを知ることでもある」 ――ラブコメ映画をこよなく愛するふたりが、 おすすめの映画を語るなかで、人生で大切なものが見えてくる! 「明日もがんばろう」と前向きな気持ちになる対談集。 巻末にラブコメ映画カタログを掲載。
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ユリイカ 2025/4 デヴィッド・リンチ
¥1,980
版元:青土社 菊判/高さ 23cm 270ページ 2025年3月刊 喪の作業として デヴィッド・リンチという名前が想起させる疼きとはいったいなにか、それはある種の悪趣味の境域に、しかしあえかな夢をみせるようにお話を紡ぐ、リンチのお話はまさに脳裏の映像を照らし出す、『ツイン・ピークス』の再演は必然であったといえるだろう、だが、すべての必然が当然叶うわけではない。リンチの天啓である。いまひとたび、「夢みる部屋」の主人の語りに耳を傾けるとしよう。 特集*デヴィッド・リンチ――1946-2025 ❖未邦訳インタビュー デヴィッド・リンチとの対話――回顧録、自作を読み解くヒント、そして世界一美味しいチップスについて、監督自身が語る / デヴィッド・リンチ 聞き手=デヴィッド・マーキージー 訳=篠儀直子 ❖メモワール 天国より野蛮な場所で / 山中瑶子 いつからか気づけばリンチを観なくなっていた / 木澤佐登志 ❖エニグマを追って 変奏と解体――迷宮としてのデヴィッド・リンチ映画 / 北村匡平 耳・鍵・穴 / 佐々木敦 「変」な映画――考察と陰謀論の時代におけるデイヴィッド・リンチ / 入江哲朗 デヴィッドがひとり、またひとり / 柳楽馨 ❖詩 デヴィッドは一体何をした? / 広瀬大志 ❖(無)意識の彼方 デイヴィッド・リンチ 強度のモノフォニー / 斎藤環 「夢みる部屋」を超えて、あるいはデヴィッド・リンチ劇場 / 宮田勇生 異世界の存在を告げるものたち――恐怖、笑い、そして頼もしさ / 藤原萌 未生の幻視者デヴィッド・リンチ / 宮本法明 ❖オマージュされるもの シュルレアリスムの彼方へ / 風間賢二 ポップカルチャーにいきわたる「リンチ風」の魔法 / 辰巳JUNK ❖手触りについて ボタン・維納ウィーン・ハツカネズミ・アクアリウム etc... / 丹生谷貴志 デヴィッド・リンチの「拡張されたメロドラマ」 / 鷲谷花 貫く眼差し、歪んだ顔――『エレファント・マン』のナルシシズム / 長尾優希 ビデオ作品としての『イレイザーヘッド』の可能性 / 鈴木潤 ❖わたしたちとリンチ 記憶の中のデヴィッド・リンチ / 金井冬樹 デイヴィッド・リンチを引き裂く――フェミニズム/クィアの経験と、神秘的なミソジニー / 近藤銀河 ❖マテリアル・セリー 胎児よ 胎児よ 何故躍る――デヴィッド・リンチ『イレイザーヘッド』の音風景 / 長門洋平 ミュージックヴィデオ映画としてのデヴィッド・リンチ / 荒川徹 魔法の夜へ――『ブルーベルベット』における声の剥落と同性愛的欲望 / 髙村峰生 デヴィッド・リンチとファッションのアコード――ファッション表現のなかから「リンチ的」なものを嗅ぎ取る / 関根麻里恵 ❖夢がはじまる In Heaven, Everything is Fine――デヴィッド・リンチ主要作品解題 / 冨塚亮平 ❖忘れられぬ人々*42 故旧哀傷・中川一朗・五中D組群像 / 中村稔 ❖詩 たいせき / ローレル・テイラー ❖第30回中原中也賞発表 高村而葉『生きているものはいつも赤い』 受賞詩集より――パプーシャの家 山の目 絞める手を疑うこと 光の墓場に根を伸ばして 選評=カニエ・ナハ 川上未映子 野崎有以 蜂飼耳 穂村弘 ❖今月の作品 安原瑛治・ながさきふみ・有門萌子・柴田爽矢 / 選=井坂洋子 ❖われ発見せり 歴史、あるいは彼女の物語 / 松本夏織
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ユーミンと「14番目の月」
¥2,420
版元:平凡社 著:ラッセ・レヘトネン 訳:加藤賢/アニータ・ドレックスラー 四六判並製 224ページ 2025年3月刊 荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代 荒井由実時代のユーミンの楽曲と社会的な意義を、名盤『14番目の月』を主軸に、フィンランド気鋭の日本ポップス研究者が分析。
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イカ天とバンドブーム論
¥2,530
版元:DU BOOKS 著:土佐有明 四六判並製 320ページ 2025年3月刊 人間椅子から『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』まで 雑誌『宝島』の変遷、 ナゴムレコード、バンドと演劇の蜜月、 韓国のバンドブームまで、 イカ天やその前後のバンド事情を網羅! YouTubeもTikTokもサブスクもなかった時代...... 人生を変えた 伝説の深夜番組『三宅裕司のいかすバンド天国』があった! スペシャル・インタビュー: 萩原健太、 佐々木敦、 KERA/ケラリーノ・サンドロヴィッチ、吉田アミ、成松哲、宮尾すすむと日本の社長(黒沢伸、宮尾益実) 巻末付録:「イカ天」ディスクガイド
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人が集まる、文化が集まる! まちの個性派映画館
¥2,200
版元 :PIE International 著:美木麻穂 A5判変型並製 192ページ (Full Color) 2024年11月刊 多様な形で発信を続ける、全国各地の魅力的な映画館88 全国各地で映画館が守り続けられていると同時に、新たな映画館も生まれています。昭和レトロ・モダン建築・廃校のリノベなど……本書では、ファン獲得のために地域コミュニティに密着し、様々な工夫を凝らす映画館をイラストと写真で解説。グッズや紙もの、海外のアートシネマなども特集します。 【掲載館】 御成座 / シネマ・デ・アエル / 本宮映画劇場 / シネマテークたかさき / 高崎電気館(高崎市地域活性化センター)/ 深谷シネマ / 国立映画アーカイブ / シネマチュプキタバタ / 下高井戸シネマ / Stranger / 早稲田松竹 / シネコヤ / シネマ・ジャック& ベティ / 高田世界館 / 新潟・市民映画館 シネ・ウインド / 上田映劇 / シネマスコーレ / 静岡シネ・ギャラリー / 伊勢進富座 / シネ・グルージャ / 元町映画館 / 豊岡劇場 / シネ・ヌーヴォ / ジグシアター / シネマ尾道 / 漁港口の映画館 シネマポスト / 萩ツインシネマ / あたご劇場 / キネマミュージアム / 小倉昭和館 / 玉津東天紅 / 本渡第一映劇 / 桜坂劇場 ほか
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あらがうドラマ 「わたし」とつながる物語
¥1,870
版元:303BOOKS 著:西森路代 四六版並製 2025年3月刊 ままならない日常に抗い、ともに生きていくために。 今見るべきドラマがここにある! 日本のみならず、香港や台湾、韓国のドラマや映画などといったエンターテイメントについて様々な媒体で執筆する筆者が、日々目まぐるしく変化する価値観や社会のあり方を敏感に捉えた日本のテレビドラマの中から23作品を厳選し、様々な切り口から書き尽くした一冊。 本書が生まれるきっかけにもなった、2024年話題沸騰の連続テレビ小説『虎に翼』の脚本家、吉田恵里香さんとの特別対談も収録!
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消息
¥1,980
版元:新潮社 著:小袋成彬 四六判変型 160ページ 2025年2月刊 2018年、メジャーデビューを果たしたあと、単身、イギリスへ移住した。SNSから距離を置き、エッセイを書くことで、自己と対話していた。直後、コロナ禍に襲われ、街はロックダウンへ。アルバム制作、22年のジャパンツアー、NYやヨーロッパへの旅、帰郷、軍事侵攻とガザでの虐殺への怒りetc.……2019年から24年までの記録と記憶。
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音盤の来歴 針を落とす日々
¥1,980
版元:晶文社 著:榎本空 四六版並製 240頁 2025年3月刊 虐殺が続く世界の片隅で、静かにレコードに針を落とす。音楽に守られた日々の記録。 アメリカで神学と人類学を学び、自分のVOICEを探す日々の裏で、心の支えとなった音楽があった。ブルーズ、ジャズ、ロック、ソウル……いまも保持する愛着の深い音盤群と、ニューヨークで、ノースカロライナで、そして沖縄で出会った心やさしき人々との交流をもとに語る生活の記録。ガザで、ウクライナで虐殺が続くなか、音楽はシェルターとなりうるか? 若き神学・人類学者による、世界の片隅からの祈りにも似たメッセージ。 “わたしがレコードを聴いていたのも、結局は似たような理由からだったのだと思う。ときにあまりに残酷で醜悪な世界から身を隠すため。閉ざされた内密の空間で生を実験するため。歌ってみたり、踊ってみたり、もうひとつの世界を、ありえたかもしれない今を想像したりして。もちろんレコードは片面二十分足らずで終わってしまうのだけれど。そしたらまた針を落とせばいい。そうしている少しの間、この世界をかたわらへ寄せて、別の世界へ、あるいは別の惑星へ。”(「あとがき」より)
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ミュージック・ガイドブック 2010-2024 VOL.1
¥2,640
SOLD OUT
版元: ミュージック・マガジン B5判 320ページ 2025/3/17刊 掲載総数1400枚以上! 現在進行形のポピュラー音楽を広く、深く楽しむためのディスク・ガイド第1弾! インターネットの発達やサブスクリプション・サーヴィスの普及などによって、聴取環境も制作環境も大きく様変わりした現代のポピュラー音楽シーン。その転換点として重要な2010年から現在に至るまでの15年間を、シーンやジャンルごとに解説とディスク・ガイドで振り返るシリーズの第1弾です。 ミュージック・マガジンがかつて刊行したオール・ジャンルの決定版ガイド本『ミュージック・ガイドブック』(1983、88、94年)同様、ロックやジャズからワールド・ミュージックまで、世界中のポピュラー音楽を網羅。ジャンルを超えた音楽性の名作が多いこの時代を、「アンビエント」や「インターネット」など、現在の音楽シーンで用いられるキーワードを軸にした解説と、圧倒的な数のレヴューで読み解きます。
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口笛のはなし
¥2,200
版元:ミシマ社 著:武田裕煕・最相葉月 四六判並製 280 ページ 2025年02月25日 実は知らない、もっとも身近で、最古の楽器!? 口笛世界チャンピオン・武田さんに、吹けないサイショーさんが訊く。 文化、歴史、科学、音楽、超絶技巧…その奥深い魅力にはじめて迫る! ・なぜ音が出る? 口笛の科学、最新の研究と残る謎 ・「夜に吹くとヘビが来る」 迷信はどこから? ・離れていても会話できる、「口笛言語」の意外な仕組み ・口笛のプロ、口笛奏者――いったいどんな人たち? ・19世紀末、世界一売れたアーティストは口笛奏者!? ・スマホで聴きながら追える! 口笛音楽100年の歴史 ・「上を向いて歩こう」「Don't Worry Be Happy」「ストレンジャー」、映画「キル・ビル」「戦場にかける橋」…誰もが知ってるあの曲も! ・あなたも吹ける! 最初の一音から超上級テクまで、解説&動画付き ・4オクターブ、和音も出せる!?チャンプの秘技を大公開 今日から、どこでも、身ひとつで。知れば、吹けば、楽しくなる!
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うたのげんざいち 遍歴 中村佳穂+大竹昭子
¥1,100
発行所 カタリココ文庫 著:中村佳穂+大竹昭子 文庫版並製カバー無し表紙 80ページ 2025年2月27日刊 カタリココ文庫 13 号はミュージシャン中村佳穂との対談をお届けいたします。 中村佳穂と大竹昭子がはじめて顔を合わせたのは、2022年2月の中村佳穂ソロライブ「うたのげんざいち2022 in 東京国際フォーラム ホールA」のパンフレットのための対談でした。中村は、カタリココ文庫0号『美術と回文のひみつ』に書かれた福田尚代と大竹の対話に感銘し、対談の相手に大竹を指名 。それまで中村のことを知らなかった大竹ですが、すぐに音楽を聴いて興味を持ち、対談が実現しました。 意気投合したふたりは、その後も対話を重ね、その結果がこのたび文庫サイズの本にまとまりました。油絵を描いていた中村が、自分の軸は音楽にあると認識する10代のこと、日本語でポップスを作り、歌うことの難しさ、「音楽は自己表現ではない」という言葉の意味……。 また中村は2024年に事務所から独立し、新たな場所で活動をはじめましたが、それは音楽の質を保ち、自分自身が楽しんで歌える環境をつくるための選択でした。 これほど深く自分のことを語ったのははじめてだと本人が述べるように、本書には、ミュージシャンとして、いまの時代を生きる一人の人間として、中村佳穂が自らに問いかける課題の核心部分が詰まっています。彼女のファンはもちろんのこと、いまの時代をどう生きるか、という難問に直面しているあらゆる世代の人々にとって、励ましの書となるでしょう!
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昭和ジャズ喫茶伝説
¥1,100
版元:筑摩書房 著:平岡正明 文庫判 340ページ 2025/02/06刊 「ジャズは、ジャズ喫茶で聴くものだ。」1960・70年代の記憶すべてを書く。ボーナストラックに山下洋輔氏・平岡秀子氏のエッセイを収録。 「新宿「汀」「DIG」「きーよ」「木馬」銀座「オレオ」日暮里「シャルマン」門前仲町「タカノ」 四谷「いーぐる」横浜・野毛「ダウンビート」中華街「ミントンハウス」etc… 「60年代と70年代前半の東京ジャズ喫茶シーンを、俺一人称で描き出したことが、世相風俗資料としての本書の値打ちになるだろう」(「あとがき」より)。熱く沸騰していた時代、東京および近郊に存在した数々の名店。独自のグルーヴに乗せて「平岡節」で記録した、全編ジャズと珈琲の香りに満ちた一冊。ボーナストラックに単行本未収録「野毛のジャズ喫茶」、山下洋輔「弔辞」、平岡秀子による書下ろしエッセイ「山下洋輔さんと平岡のこと」を収録。
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J-POP 丸かじり
¥2,970
版元:SOW SWEET PUBLISHING 著:西寺郷太 四六版並製 496P 2025年2月刊 NONA REEVESの西寺郷太が“J-POP愛”を約500ページに濃縮! 自身初のJ-POP考察&対談集『J-POP丸かじり』 <概要> 本著は、作詞・作曲家、音楽プロデューサーの西寺郷太(NONA REEVES)が、幼少期の頃から親しんできた歌謡曲やJ-POPをテーマに取り組んだ原稿や対談記事を集め、新たにスペシャル対談も収載した1冊。自身の音楽活動はもちろん、マイケル・ジャクソンを始めとする洋楽に関する考察、自らの青春期を基にした小説などの執筆活動で知られている西寺さんの、初めての日本のポップ・ミュージックについての考察本です。過去にWebサイト『音楽ナタリー』、雑誌『BRUTUS』で連載してきたテキストに加え、その他メディアで行ってきたASKAさん、近田春夫さん、佐野元春さんを始めとした日本音楽界のレジェンドたちとの対談も掲載。約500ページに及ぶ論考とインタビュー、そして“現役のミュージシャンが日本で愛されてきた音楽について語る、今までになく力強くポップな1冊が完成です! 表紙や中ページのイラストは、盟友しまおまほさんの描き下ろしによるもの。西寺さんが敬愛するアーティストとの追加対談&グラビアも掲載しています。また本著用の特別対談として、小西康陽さん、宇多丸(ライムスター)さん、戸塚祥太(A.B.C-Z)さんとの音楽放談が楽しめます! <本著で語られるアーティストの方々/50音順 ※敬称略> 嵐/いしだあゆみ/宇多田ヒカル/EXILE/X JAPAN(X)/A.B.C-Z/大瀧詠一/OKAMOTO’S/オリジナル・ラヴ/吉川晃司/氣志團/King & Prince/KREVA/小林明子/米米CLUB/Suchmos/佐野元春/少年隊/Snow Man/SMAP/田原俊彦/CHAGE and ASKA/近田春夫/中島美嘉/長渕剛/ Negicco / Vaundy / BUCK-TICK/BTS/ PIZZICATO ONE / V6/BOØWY/松田聖子/モーニング娘。/ライムスター/ラストアイドル/RIP SLYME /LUNA SEA /レキシ/渡辺美里、ほか多数 !!!! <対談に登場するアーティストの方々 ※敬称略> 小西康陽/宇多丸(ライムスター)/戸塚祥太(A.B.C-Z)/ ASKA/綾小路 翔(氣志團)/近田春夫/佐野元春
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極私的映画論
¥1,980
SOLD OUT
版元:論創社 著:森達也 304ページ 四六版並製 2025年1月28日刊 痛快! 豪快! 大胆! こんな映画批評が読みたかった!! じつは現役の映画監督なのだから、映画批評など書かなければいいと思っている。でも映画についていろいろ思ったり書いたりすることが楽しい。だから書き続ける。 映画を観始めてもう半世紀以上が過ぎる。多くのことを知った。気がついた。森達也の人生において映画は、間違いなくとても重要な位置にある。 次々と問題作を世に送り出す気鋭の監督による映画批評100本勝負!
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音楽未来会議 4つのテーマで読み解く「これまでの10年」と「これからの10年」
¥2,420
版元:リットーミュージック 著:柴那典 山口哲一 脇田敬 A5判 / 208ページ 2025.1.22刊 激動の音楽業界を生き延びるための「文殊の知恵」 過去を知り、未来に備えよう! 音楽ジャーナリストの柴那典、エンターテック・エバンジェリストの山口哲一、音楽マーケティングスタートアップ株式会社LABの代表・脇田敬の3人が、それぞれの現場での豊富な経験を元に「ヒットとブレイクの10年」「ライブとフェスの10年」「メディアとレーベルの10年」「マネーとクリエイトの10年」という4つのテーマで、音楽業界や音楽シーンのこれまでの10年を振り返り、さらに今後10年のあり方を予見します。 いよいよデジタル化が進み、海外進出の障壁も下がってきた激動の時代に、音楽活動やビジネスを展開する上で押さえておくべきトピックが満載で、今後の指針を得るには必読の内容となっています。 なお本書は2024年に開催されたトークイベント「音楽未来会議」の内容をベースとしており、参加者の方々との質疑応答がフィードバックされるなど、さまざまな声で成り立つインタラクティブな作りとなっています。では、皆さんも一緒に10年先の未来を考えてみましょう!
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大きな魚をつかまえよう リンチ流アート・ライフ♾️瞑想レッスン
¥1,980
版元:四月社 著:デイヴィッド リンチ 13 x 1.7 x 21.1 cm 221P 2012年4月刊 映画・美術・音楽―ジャンルを超えて強烈な作品を生みだすアーティストの脳内Trip。暴力、セックス、夢、死体。謎めいた映像で人々を魅了してやまない著者が、どんなふうに作品が発想されたのかを説き明かし、パワフルに創作する秘訣―長年実践している「瞑想」の効用を語り尽くす。若きクリエイターへの心を込めたメッセージ。
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インティマシー・コーディネーター 正義の味方じゃないけれど
¥1,980
版元:論創社 著:西山ももこ 四六版並製 248ページ 2024年4月1日刊 俳優がより演じやすく。監督がより演出しやすく。 日本では数人しか従事していないインティマシー・コーディネーター。出演する側と制作する側のあいだに入り、おもに映画やドラマの性的シーンの内容について調整する。その仕事の詳細とは。そして、どんな人がいかなる思いで取り組んでいるのか。
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午前三時のサーチライト
¥1,980
版元:ケンエレブックス 著:豊田道倫 四六判変型 224頁 2024年12月13日刊 大阪へ 東京からの転居、コロナ禍での先行きの見えない日々。寂寥感と欲望。 生活とイリュージョンの往還からうまれた20篇の物語。 消えた女、死んでしまった友人、家族、行きずりの出会いと別れ。生活をとりまく些細な出来事から湧き上がるエモーション。 パラダイス・ガラージ、豊田道倫&His Band!などの活動で知られるミュージシャン・豊田道倫によって、感傷的な現実と幻想のあわいを溶かすような文体でつづられる待望の短編小説集。