人間関係を半分降りる　気楽なつながりの作り方

『人間関係を半分降りる　気楽なつながりの作り方』
お店を５年間やってきて最も学んだのは、お客さまとの距離の取り方、という気がしてる。無理に距離を縮めようとしてもいいことない。お互いに立ち入らないけど、ちょっとだけ気持ちが上がるような言葉を一言二言交わせる、ぐらいの関係がちょうど良いな、と。いやお店だけじゃなく家庭であれ職場であれ、濃くつながるより「薄く」つながる作法の方が、今の私たちには必要なのでは、などと思う。
本書の著者・鶴見済さんといえば、９０年代を代表する『完全自殺マニュアル』。それは「いざという最悪の時には死ぬことだってできるのだと思えば、楽に生きていける」という、あきらめの力で自分を支えるような哲学に満ちていました。
この本もまた、「こうあるべき」とされている人間関係を積極的にあきらめることで、生きづらさを乗り越えようとするような一冊で、とても一貫しているな、と。
そして私たちに今必要なのは、もっと互いを「ほっといてあげる」ことなのでは、と強く思いました。


版元：筑摩書房　著：鶴見済　四六判　224ページ　2022年7月刊

お店を５年間やってきて最も学んだのは、お客さまとの距離の取り方、という気がしてる。無理に距離を縮めようとしてもいいことない。お互いに立ち入らないけど、ちょっとだけ気持ちが上がるような言葉を一言二言交わせる、ぐらいの関係がちょうど良いな、と。いやお店だけじゃなく家庭であれ職場であれ、濃くつながるより「薄く」つながる作法の方が、今の私たちには必要なのでは、などと思う。

本書の著者・鶴見済さんといえば、９０年代を代表する『完全自殺マニュアル』。それは「いざという最悪の時には死ぬことだってできるのだと思えば、楽に生きていける」という、あきらめの力で自分を支えるような哲学に満ちていました。

この本もまた、「こうあるべき」とされている人間関係を積極的にあきらめることで、生きづらさを乗り越えようとするような一冊で、とても一貫しているな、と。

そして私たちに今必要なのは、もっと互いを「ほっといてあげる」ことなのでは、と強く思いました。