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縁食論
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版元:ミシマ社 著:藤原辰史 四六判並製 192P 2020年11月刊
私たちの食は、押し込められている。経済活動の輪の中に、あるいは家族や個人といった小さな単位の中に。
市場には有り余る食べ物が流通している一方、必要最低限の食べ物にさえありつけない人が増えていたり。孤食が悪とされる一方、その責任は家族(とりわけ母親)に押し付けられたり。
そんな窮屈さを打開する場として本書は、弱いつながりを持って誰かと食べる場所、社会の宿り木のような場所、とりあえずそこに行けばご飯にありつける場所、そんな「縁食」の場に可能性を見出します。
そしてこの本がすごいのは、ベーシックインカムならぬ「ベーシック食」的なものも提唱していて、食のあり方を入り口に、今の市場経済とは別のあり方を、本気で夢想していること。
そう、確かに「食べることは本来的には消費ではない」のであって、余ったものを分け合い共に食べる社会があっても良いのだ。
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