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別れを告げない
¥2,750
版元:白水社 著:ハン・ガン 訳:斎藤真理子 四六版 320頁 2024年3月刊 安全な場所から、スルスルと読み進めることを決して許さない本だと思う。執拗に描写される寒さや暗さ、痛みを自分ごとのように感じる。不安定で悲しみに満ちた何が現実かもわからぬ場所に、否応なしに放り込まれる。読んでいて苦しいし、痛い。でも、そういった場所まで降りていかないと、覗き見ることができないような「暗闇」をこの本は書いているのだと思う。 この本で描かれるのは、済州島四・三事件という凄惨な「ジェノサイド」の歴史。でも語り口は一筋縄ではいかない。私たちに提示されるのは、ひとりの当事者とその娘のフィルターを通じた、語りの断片。幽霊との会話。ここには、わたしにこの死者たちの声を聞き届けることができるだろうか、それを書くことができるのだろうかという逡巡がある。 そして、痛みを抱えたふたりの女性たちの関係が、すばらしい。深い喪失と欠落の果てにしか人は深くつながることはできないのか。そんなことを思う。
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うどんリープ─香川に帰ったらタイムリープから抜けられなくなった件
¥550
森 晶麿 (著) 1979年生まれ。2011年『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞。著書にこの「黒猫シリーズ」や「探偵シリーズ」「偽恋愛小説家シリーズ」、その他の著書に『キキ・ホリック』『探偵と家族』『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』『チーズ屋マージュのとろける推理』などがある。香川県在住。 ・・・・・・・・ 大学進学を機に郷里の香川を出、東京の企業に就職した達也はある日縁談を進められる。乗り気になったものの、地元には遠距離恋愛中の恋人がいた。大型連休の金曜に香川へ帰省し、別れ話をするはずが、気がつくと帰省最終日の日曜朝になっている。何とか恋人に別れを告げるものの、時間はなぜか金曜夜に戻ってしまい、やり直しの会話の中で、達也は恋人の秘密に気づく。本当に彼女とは終わりなのか。達也の本当に望む未来はどこに——? 出版社 : U-NEXT (2024/3/1) 言語 : 日本語
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夜ふけに読みたい 雪夜のアンデルセン童話
¥2,420
H. C. アンデルセン 著 |吉澤 康子 編訳 |和爾 桃子 編訳 |アーサー・ラッカム 挿絵 出版年月日:2024/01/24 B6 264ページ はかなくも美しい名作童話の世界へ。 人気の海外民話集「夜ふけに読みたいおとぎ話」シリーズにデンマークの古典「アンデル セン童話」が仲間入り! 「マッチ売りの少女」に「雪の女王」など世界中で愛される名作から、日本ではあまり紹 介されていないお話まで、アーサー・ラッカムの素敵な挿絵とともにお楽しみください。 夜ふかし注意で読みましょう。
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め生える
¥990
SOLD OUT
版元:U-NEXT 著:高瀬隼子 四六変判 168ページ 2024年1月刊 せっかくみんなハゲたのに―― 突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。 元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。 同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。 価値観は刷新されたはずなのに、また別の分断の萌芽がそこに。 『おいしいごはんが食べられますように』で芥川賞を受賞した、 高瀬隼子の最新作は、見た目のコンプレックスをテーマに描いた珠玉の中編。
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オリンピア
¥2,750
版元:北烏山編集室 著:デニス・ボック A5変並製 248ページ 2023年12月刊 英語英文学・翻訳のふたり出版社「北烏山編集室」さんから、はじめての本『オリンピア』が届きました。 翻訳の越前敏也さんが25年前に読んで圧倒され、出版も決まっていないのに全文訳出してあちこちに持ち込みしていた本が、四半世紀を経てようやく日の目をみる…という経緯が、奇跡のよう。一家の歴史を静かに描いた連作短編集。
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彼女たち
¥1,650
『彼女たち』 中川正子さんの写真と、桜木紫乃のささやかな物語が互いに寄り添うような、やさしい光に満ちた一冊です。枕元に、お守りがわりに置いておきたい。 ・・・・・・ 桜木 紫乃 (著), 中川 正子 (写真) 人間関係につまずき、ひとりぼっちを選んだイチコ。「自分のために、納得ゆくまでやってごらんよ」のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の女性の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたに届けたい。読んだあと誰かに贈りたくなる一冊。 * 中川さんの作品集をはじめて開いたとき、「きれいな空をもった人だな」と感じました。空に誘われ、大切な友人を想いながら書いていたら、贈りたい人の顔がたくさん浮かぶ一冊になりました。私も光を求めて生きる「彼女」のひとりでした。 (桜木紫乃) 紫乃さんの切り取る「彼女たち」の日々。それぞれの目に映る色や光を思いました。今日も赤く暮れていく空の下、彼女たちは自分の歩幅で進んでいるのでしょう。わたしは、どんなふうに歩いていこうか。今日をどう、始めようか。気づけばわたしも「マサコ」として、この物語の中で息をしていました。 (中川正子) 出版社 : KADOKAWA (2023/10/13) 発売日 : 2023/10/13 言語 : 日本語 単行本 : 56ページ
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孤独先生 上林暁傑作小説集
¥3,080
版元:夏葉社 著:上林暁 撰:山本善行 四六判変形上製 416頁 2023年4月刊 昭和を代表する私小説作家、上林曉(1902―1980)。太宰治と同時期にデビューした作家は、心を病んだ妻を見つめ、 のちに脳溢血によって半身不随となったあとも、震える左手で小説を書き続けました。その不屈の精神がすなわち作品になっていることが、 作家の名を著名にしましたが、上林曉はいわゆる私小説以外にも、未来に残る美しい小説もたくさん残しています。 2011 年に制作した『星を撒いた街』は、作家のそうした美しい面に光を当て好評を博しましたが(4 刷、5500 部)、 本書は同じコンセプトでつくる小説撰集の続編です。装画は阿部海太さん。装丁以外にもカラー挿絵を 10 点収録した豪華な本です。 収録する短篇は初期の傑作「天草土産」ほか 10 点。本の大きさは新書サイズとほとんど同じです。432 ページ、ハードカバー、 背継ぎ表紙という瀟洒なデザインが、作家の瑞々しい作品の魅力を伝えます。
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シュークリーム
¥2,200
蕎麦と云う物は岡山で食べた事はあるけども、口の中でざござごして、もそもそして、貧乏人が腹のたしに食う物だとされていた。 ー『シュークリーム』(内田百閒) ・・・・・・・・ 内田百閒【著】 山本善行【監修】 書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに刊行してきた「灯光舎 本のともしび」第1期最終巻。 第1期の最後を飾るのはいまも根強いファンが多い文豪・内田百閒。敬愛してやまなかった師・夏目漱石にお金を借りに行く諧謔のきいた随筆から古郷・岡山と祖母のおもかげを語る小話「シュークリーム」など7作品を収録。 ちょっと悲しくておかしい百閒独特のユーモアや、収録作「昇天」に感じる怪奇的な世界観など百閒文学の旨みを凝縮した1冊。本や文学に親しむきっかけを与えてくれる小品集です。 収録作 ・漱石先生臨終記 ・長春香 ・昇天 ・掻痒記 ・乱れ輪舌FOT ・寺田寅彦博士 ・シュークリーム 発行元:灯光舎 2023/03/01発売
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昔話の扉をひらこう
¥2,000
小澤 俊夫 (著) わたしたちの祖先が何世代も語りついできた昔話には、人生観、自然観、子育てのヒントが染み込んでいます。 あたたかいまなざしで人生の本質を語り、「大丈夫だよ」と励ましてくれるのです。 昔話に秘められる大切なことを紐解く一冊です。 特別収録 ◎小さなお話集 日本の昔話(「かっぱの恩返し」「団子長者」ほか12話) グリム童話(「灰かぶり」ほか2話) ◎二人の息子との初めての鼎談 (長男 小澤淳さん、次男 小沢健二さん) 出版社 : 暮しの手帖社 (2022/1/19) 発売日 : 2022/1/19 言語 : 日本語 単行本 : 224ページ
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徳島文學 第3号 2020 Volume3
¥1,650
SOLD OUT
版元:徳島文学協会 A5並性 P261 2020年5月刊 徳島から発信、自由で新しい文芸誌のカタチ。 疫病が蔓延する世界で肉欲に溺れる素性も知れぬ男女たち、狂気か悪夢か、はたまた現実の写し鏡か、吉村萬壱の新たな傑作「ゼクレータ」。 「症候群」大滝瓶太 、「月の船」久保訓子、「カササギの橋」山本渚。 第二回「阿波しらさぎ文学賞」受賞作「踊る阿呆」佐川恭一、徳島新聞賞「胸をつらぬく」桐本千春、徳島文学協会賞「いらっしゃいマンション」宮月中。 第十回全国高校生文学賞「本当のこと」佐々木晴。 巻頭俳句「草の花」涼野海音、短歌「夕陽をすくいあげて」田丸まひる、俳句「肉の部分」原英。 評論「肉体の復活─北條民雄論」奴田原智明他 (版元紹介より)
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徳島文學 創刊号 2018 Volume1
¥1,650
版元:徳島文学協会 A5並性 P244 2018年5月刊 徳島文学協会による、これまでにない文芸誌「徳島文學」。 芥川賞作家の吉村萬壱、玄月、批評家・詩人の若松英輔、歌人の武田穂佳らが執筆。 同人誌の枠を超えた新しい地方発の文芸雑誌が創刊。 (版元紹介より)
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徳島文學 第2号 2019 Volume2
¥1,650
版元:徳島文学協会 A5並性 P202 2019年5月刊 徳島から発信、自由で新しい文芸誌のカタチ。 芥川賞作家の青来有一、藤野可織、小山田浩子、歌人の田丸まひる、俳人の涼野海音ら多彩な執筆陣。 地方文学の概念を変える新たな文芸誌、待望の第二号刊行。 (版元紹介より)
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文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫 緑 ) 文庫
¥482
夏目 漱石 (著) 夢に現れた不思議な出来事を綴る「夢十夜」、鈴木三重吉に飼うことを勧められる「文鳥」など表題作他、留学中のロンドンから正岡子規に宛てた「倫敦消息」や、「京につける夕」「自転車日記」の計6編収録。 出版社 : KADOKAWA; 改版 (1970/5/12)
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ことり (朝日文庫)
¥638
小川 洋子 (著) 人間の言葉は話せないけれど、 小鳥のさえずりをよく理解し、 こよなく愛する兄と、 兄の言葉を唯一わかる弟。 小鳥たちの声だけに耳を澄ます二人は、 世の片隅でつつしみ深く一生を生きた。 やさしく切ない、著者の会心作。 出版社 : 朝日新聞出版; 文庫版 (2016/1/7)